年齢を重ねると若い頃より血圧が上昇するのは仕方のないこととしても、高血圧症にかかる高齢者はとても多いです。
その割合は3人に2人といった高確率です。
健康診断などで高血圧が発覚したり自覚症状がある場合は、専門の医院で受診し医師の指導によって薬を飲むなどの対策が必要です。
高血圧は、脳卒中や心臓病を引き起こす重大な要因となるため、普段の食事からの塩分の摂取を意識する事が大事です。
減塩対策としては1日の塩分摂取量を5~7g以下が良いといわれていますが、塩5~7gというのは実際その量をはかってみると、とても少なく見えます。
これを3食で使うとなると物足りなさを感じるほどですが、少しの塩で食材の味が引き立つような調理方法や新鮮な食材を使うことで工夫することができます。
調味料を塩だけに頼らず、レモンなどの柑橘系のしぼり汁や山椒などの香辛料を使ったり、シソやネギ、セロリなど香りの強い香菜を使う事で、味に変化をつけることができます。
また、昆布やかつおぶし、しいたけといった日本ならではの食材を使って、うまみ成分たっぷりの出汁をとり、調理をするのもおすすめです。
醤油は出汁で割ると、塩分の摂りすぎを防ぐことができます。
料理が温かいもののほうが塩味を濃く感じることができるので、調理方法でも工夫ができそうです。
味噌は塩分が濃いといわれ、味噌汁が悪者扱いされるイメージがありますが、実は味噌汁を飲んでも血圧に影響しないという実験結果があります。
たしかに味噌には塩分が含まれていますが、生活習慣病予防となる発酵食品でもあります。
1日1杯程度であれば、むしろ摂取するのが望ましいほどです。
減塩は、長らく高齢者だけではなく、日本国民全体のテーマにもなっていて、健康を維持するためにはとても大事なことですが、実は近年、極端な減塩は動脈硬化や認知症を引き起こすという事もわかっています。
塩分は人が生きていくためにとても重要な成分なので、夏など大量に発汗する時期は特に摂取の仕方を注意したいところです。
熱中症の原因のひとつにはナトリウム不足もあるからです。
薄味は慣れもありますが、あまりにも厳格にしすぎると食欲減退にもつながります。
高齢者の方が食欲を落ちて食事量が少なくなると、体力の減退、免疫力の低下にも繋がります。
高血圧の症状が重くない方は、無意識よりは意識的にという感じで日々の食事を気遣うのが長く続けられるコツではないかと思います。