高脂血症は、血中のコレステロールや中性脂肪が必要以上に増えている状態をいいます。
高脂血症には、高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症と、種類があります。
いずれも放っておくと動脈硬化に繋がり、さらに進むと心筋梗塞、脳梗塞に繋がります。
空腹時に採決をして測った血中コレステロールの値は、病の区分けの目安の一つとなります。
高脂だけでなく低脂も問題になるため、2007年以降からは高脂血症は脂質異常症といわれるようになりました。
いずれの脂質異常症(高脂血症)も、食事と運動の療法が大事なのですが、高齢者や何らかの介護が必要な方は、日々の食事のコレステロールと塩分を抑える工夫をしましょう。
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まず、一般的にコレステロール値が高いといわれている肉類、魚、卵黄、生うになどを控えると良いでしょう。
肉類は、肉の種類やそれぞれの部位によってカロリーや脂肪分が大きく異なるので、食材選びは気を配りたいところです。
肉は脂肪分の少ない赤み肉が、良質なタンパク質が摂れるのでおすすめです。
鶏肉のように皮や脂身があるものは、調理前に取り除いたり、熱湯をかけたりさっとゆでて脂を落とすと、選択肢が広がります。
魚を摂るなら、旬の魚を選び脂を落とさないような調理方法で、中性脂肪値を下げる効果のあるEPAやDHAを摂ると良いでしょう。
刺身で食べるのが一番良いのですが、体調を見計らって食べたいところです。ホイル焼きやフライパンで焼いて、魚から出る焼き汁も一緒にいただくと効果的です。
コレステロール値を下げるには、値を下げる効果がある食物繊維の豊富な食品を食べると良いです。
いも類、根菜類、きのこ類、海藻類がそれにあたります。
これらを使った料理例としては、筑前煮、きんぴらごぼうなどがあります。
ただ、根菜は歯ごたえのある固い素材のものも多いため、高齢者の方には特にかみ砕きやすいようによく加熱をしたり、飲み込みやすいように小さめに刻むなどの配慮も大切です。
高血圧症と同じく、塩分を控えるのも大事です。
塩分摂取を気を付けることで、他の病気への予防と対策にもなります。
独居の場合、男女かかわらず一人分の食事を用意するというのはなかなか大変なことです。
同居の家族がいても、世代間で食事の献立内容が合わない、介護向けの調理法が面倒、脂質異常症対策用の調理が大変などそれぞれに事情がある場合もあります。
その場合は、症状に合わせた食材を使って調理された宅配食・通販食を利用すると良いでしょう。