介護食というと、なんだか大変そうというイメージをお持ちのかたもいらっしゃるかと思いますが、基本的には普通食(又は常食)といわれる、家族の方が食べるものを噛んだり飲み込んだりする力に合った調理をすれば良いものです。

お医者さんにかかるような疾患があって、摂取量を注意しなければならない食材がある場合を除いては、特別に別メニューを作って特別な調理方法をするなどというまでしなくても大丈夫です。

塩分などの制限がある場合は、味付け前までは一緒に調理して取り分けて別に味付けをすると良いでしょう。

高齢者の方や介護を必要としている方が食べやすいような調理方法には、きざみ食・嚥下食(ミキサー食)・ソフト食といわれる形態があります。

例えばかたいものが食べづらいといったら、電子レンジを使って加熱時間を長くしたり、大きいものが飲み込みづらいというなら、食材を小さく切るといったひと手間を加える調理です。

高齢者の方に多いのが、まず加齢による歯の欠損や義歯による噛み砕く力が低下する状態です。
ものが噛みづらいと、どうしても糖質や脂質の多い柔らかいものばかり摂りがちになって、残っている歯にも良くないし栄養バランスの偏りや便秘に繋がります。

飲み込む力が低下していなければ、食材を小さく刻んだりサイズを小さくするなどで食べやすい大きさにすると良いでしょう。

飲み込む力が弱い、嚥下が辛いという方には、材料をミキサーにかけるミキサー食(嚥下食)が適しています。

ミキサーにかけることで粘度が出て、咀嚼と飲み込みがしやすくなります。

ミキサー食は、味もはっきりしなくなるため、濃いめの味付けをすると、食の楽しみが残ります。
また、原形が残らないので、型抜きなどを使うなどして見た目にも気を配りたいところです。

水分を多くするのは一見良いようですが、誤嚥の原因になるので注意が必要です。

水分は増粘剤やゼラチン、少量の寒天を加えるなどしてなどでとろみをつけたりゼリー状にして摂取すると良いでしょう。

とはいえ、味のない水やお茶ばかり続くと飽きも早くくるので、時にはジュースや牛乳といった水分そのものに味があるものを使うのがおすすめです。

噛むことや飲み込むことが難しくなった方には、舌で押しつぶせる程度の硬さで、食塊を作るような調理方法を用い、喉の滑りの良いソフト食です。

見た目は普通食と変わらないくらい、食べ物の形は残っているけれど柔らかい状態です。
最初に電子レンジにかけてから蒸す又は茹でると、食材が柔らかく仕上がります。
蒸し器や圧力鍋もおすすめです。

卵や山芋、片栗粉、油などは食塊をつくるためのつなぎの役割を果たしてくれます。