彩り、栄養バランスを考えた高齢者向けの食事や介護食の献立に、季節の行事食を組み込むと、食の楽しみがぐっと増します。
日本は昔から続く行事や風習がほぼ毎月あり、その時に食すと良いといわれる食材は、自然に従って旬のものである事がほとんどです。
例えば1月でいえば、お正月にちなんでおせち料理、7日には七草粥、15日にはあずき粥、2月は4日の節分にちなんで巻きずしやいわし、大豆・・・といた具合です。
旬の食材は栄養価が優れていることもあり、行事食献立はぜひともとりいれたいところです。
施設では、提供する食事の献立をプロが作成するため、通所または在所している利用者様は行事食を口にする機会がありますが、在宅で家族が食事の用意をしてくれる方やサービス利用をしていない独居の方は、高齢者向けの食事の宅配などを利用してみるのも良いでしょう。
在宅の方に行事食の介護食を作る場合、ネットに出ているメニュー画像などを参にすると「こんなのはできない・・・」と萎えてしまうほど綺麗な盛りつけや凝った造りのものがあります。
プロが作ったものなので、美麗で当然。
その中でも一番見た目にわかりやすいものを一つ真似る。食材を意識してみる。といった、できることを取り入れるのでも十分かと思います。
気負ったり、材料にこり過ぎたりするなどの無理をすると、いっぺんに疲弊したり後を続けようという気力が失せてしまいます。
楽しく続けるためには、無理をしないのが一番でしょう。
行事食で良いのは、季節感を出せる事はもちろん、特別感がわくわくに繋がるところが良いですね。
そして、なんといっても行事に絡めたメニューや食材だと高齢者の方との会話が弾みます。
食材は、常食ならそのまま、義歯や口腔内に問題やトラブルを抱える方は刻み食やミキサー食、とろみのついたものやゼリーで固めるなど形態を変えての提供が必要な場合があります。
原型を変える調理をする場合、型抜き盛り付け方を工夫して季節感を出すことも十分可能です。
型抜きはわりと安く手に入れることができるので、葉っぱの形や魚の形、花の形など見てすぐに何だかわかりやすく、楽しめるものをいくつかよういしておくと良いでしょう。
ゼラチンや片栗粉など、熱を加えることで固まったりとろみがつくなどして食感が変わる材料を使うと、きざんだり細かくしたりやわらかくした食材をうまくまとめたり形を変えたりすることができるので常備しておくと良いでしょう。