肥満は、年齢層や性別関係なく注意したい症状のひとつです。

現代は健康志向が強まっていることと、情報社会の発達によって、肥満のリスクが大分一般的に知られるようになって注意する人も多くなってきています。

が、食べることが好きでそれを楽しみにしている高齢者の場合、「もうトシだし」と年齢を理由にしたり、独居で気ままな食生活を送っていたりすると肥満の原因を作りかねません。
膝が悪い、腰が悪いなど体に支障がある場合や、飲んでいる薬によって安静を求められている場合は、無理な運動はできないので、運動による肥満回避はなかなか難しいものです。

どんな状態であっても摂る「食事」は、コントロールがしやすく、肥満防止に役立ちます。

摂取する食事量が多い高齢者の方は、ご飯の量も多くなりがちです。
ご飯は1回の食事でご飯1杯に抑えるというルール付けをしたり、小さめのお茶碗に盛り付けて見た目の量を多くすることで満足感を得られるような工夫も良いでしょう。

食材選びも気を配りたいところです。
例えば牛肉であれば霜降り肉は避けて、脂肪分が少ないヒレ肉やもも肉を選ぶ、鶏肉であればもも肉の皮を取り除いてから調理する、ささ身や胸肉を選ぶ、ひき肉は脂肪分が少なそうな赤いものを選ぶなどがおすすめです。

調理方法としては、揚げ物は衣をつけずに素揚げする、蒸す、焼くなら油分が下に落ちる網焼きや、油を使わなくて良い調理器具を使うと良いです。

 

食欲が旺盛な場合は、間食もすすみます。
その場合は間食をしないのが一番良いのですが、間食を楽しみの一つして捉えている場合は、バターや生クリームなどの高カロリーな材料を使った洋菓子よりも、小豆や寒天などを使っている和菓子を選ぶなどの工夫をすると良いでしょう。

食材や献立も大事ですが、食べるタイミングや速度もとても大事です。
食事を摂るタイミングが不規則だと、適切な時間に空腹感を感じることができなくなってしまいます。
規則正しいタイミングで食事を摂るためには、規則正しい生活を送ること意識したいところです。

飲み込む力や口腔内(義歯であるとか抜けた歯が多いなど)の問題のない高齢者の方は、若い時の名残で早食いの方も多い傾向にあります。
高齢者の方に限らず、早食いは肥満の元とも言われますので、ゆっくりよく噛んで食べるよう声掛けをしても良いでしょう。
適度なおしゃべりをしながら食事を摂っても良いですね。

よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐこともできます。
目安としては20分以上かけて食べるのが望ましいと言われています。