食事を摂る時の姿勢は、年齢かかわらずとても大事です。
特に高齢者の場合は「座る姿勢」は健康維持に役立ち、ご飯も食べやすくなります。
排泄もしやすくなるし、筋力が強くなり体のバランスも良くなります。
可能な限り、座位で食事を摂るのが望ましいのですが、適切な姿勢で座らないと、肩こりや腰痛の原因にもなるので、それぞれに合った工夫が必要です。
既にいわゆる「寝たきり」の状態の方であっても、座って食事を摂ることができると、視野が広くなることで精神面への良い刺激を受けることができます。
良い姿勢で座るには、体に合った椅子を選ぶことが大事です。
椅子は、個々の身長や体型によって合う合わないがありますが、基本は背もたれと肘掛けがある椅子を選びます。
背もたれがなかったり、折りたたみができるような椅子は、体が支えられなかったり不安定だっったりして、落下などの怪我のもとになるのでおすすめできません。
背もたれの高さの目安としては、肩甲骨のあたりにかかるぐらいの高さが望ましいです。
腰の部分も支えたいので、背もたれに空きのないデザインのものが良いでしょう。
座った時、頭と体がわずかに前かがみであるのが良い姿勢のポイントです。
肘掛け(肘受け)は、まひなどで体のバランスが取りづらい人には特に必要です。
肘を直角に曲げた時に肩が上がってしまったり逆に肘から先が浮いてしまったりしないような、肘を水平に受け止められる高さのものが良いです。
もしも肘が浮くようなら、小さな枕かタオルを丸めたものを当てるなどの工夫をして、高さを調節します。
かかとが床についていないと力が入らないので、安定して座ることができないので、座面の高さは
いすの高さ=下腿高-1cm≒(身長の1/4)
という計算式を参考に選ぶのがおすすめです。
足が床から浮く場合は、足台を置くなどして調節をします。
床にしっかり足がついて、ふとももは全面が座面につい、膝は90度に曲がっているのが理想的です。
座面の横幅は、体がうまく収まる広さが良いでしょう。
テーブルの高さは、椅子に座った状態でおへそのあたりにくるのが望ましいです。
もしもテーブルが高すぎる場合は、座面に座布団やマットを置いて高さ調節をします。
椅子に座るときは、少しまえかがみ気味になる方が、誤嚥を防ぐことができて、舌もコントロールしやすくなります。
高齢者の方に多いのが、仙骨座りやずっこけ座りと言われる座り方です。
体を反らせてしまって背もたれを押すと、おしりが前に滑っていきます。
股関節が曲がりにくい、筋力が低下しているといった身体的に衰えがある場合もずっけ座りになりがちです。
自力で治せる場合には声掛けを、困難なようなら、介助者が手をかして姿勢をなおしましょう。