食事介助というと、介助者が食事を口元まで持っていくイメージがありますが、例えば麻痺などによってスプーンや箸がうまく握れないなどの身体機能的な問題によって食事をうまく口に運べないというような場合は「自助具」という福祉用具を使うと良いでしょう。

自助具というと、介護ベットや車椅子を思い浮かべる人も多いかと思いますが、スプーンや箸などには実は様々な形の自助具ものがあります。
市販品は昔に比べて大分増えてきて、値段も買いやすくなったものの、体の不自由の度合いや癖は個人によって違うため、オーダー製作される方も少なくないようです。

オーダーの場合、素材や形状の選択肢はかなり広く、例えばスプーンだったら、持ち手の部分が金属ではなくスポンジであったり樹脂であったり二股に分かれている、波型になっているなど様々です。
フォークや箸についても同様です。
ただやはり、費用が割高になるのは否めません。

自分で自助具を使って食べることが出来ない場合でも、スプーンの先の素材や形状には様々なものがあるので、口をどれだけ開くことができるか、食べ物の飲み込みがどれくらいスムーズか、唇の力がどれくらいあるかなど、今持っている食事のための能力の度合いによって選ぶのがおすすめです。

どのスプーンを選ぶにしても「小さくて薄くて平らなもの」というのが基本形で、まずこの点をクリアしているのがポイントです。

困難だった嚥下が良くなってくるなどの機能改善の兆しが出れば、持ちやすくて口に運びやすいスプーンに変えていき、介助者は、解除される側のその時の状態に一番最適な道具を見極める事が大事です。

スプーン、フォーク、箸は食事を摂るために必須の大事な道具ですが、食器を置くトレーも、実は結構大事な自助具のひとつです。

滑り止めの加工がしてあるものや、表面がつるつる過ぎないものは、おいた食器が滑らないので、多少力を入れてすくったり突いたりしてもひっくり返してしまうトラブルを回避出来ます。

水分補給や嚥下の補助に必要な水やお茶を入れるコップは、コップの縁が鼻に当たらないように少し丸くカットするだけで、首をたくさんそらさなくても飲むことができます。
このように、購入しなくても少しの工夫で自助具を作ることが出来る場合もあります。

昨今はネットでの情報収集が簡単にできるので「自助具 手作り」と検索すると、自助具の自作方法を簡単に見つけることが出来ます。

自作品は、より自分の使い勝手やサイズに合わせることができるのが魅力です。
そして、簡単に手に入るものや100円均一で手に入るものを上手に利用して作られているものも多いため、もし壊れても新しいものを作り直したり再生するのが容易なところも良いですね。